判断と責任 行動心理学

判断を引き受けないと時間も仕事も無限に膨張する!!パーキンソンの法則と「判断の設計」

なぜ仕事は与えられた時間いっぱいまで膨張するのでしょうか?

パーキンソンの法則によれば、
仕事は割り当てられた時間を使い切るまで膨張する、とされています。

これは、単なる理論ではなく「すべてに当てはまる物理法則(原則)」と考えた方が、タイムマネジメントや判断の質向上に役立ちます。

なぜなら、
仕事のスピードや質を決めているのは、
能力や努力量ではなく、
時間の与え方そのものだからです。


人は「残り時間」で判断を変える

プロバスケットボールの試合を見ていると、
不思議な現象に気づきます。

第4クオーターの後半、
残り時間が10分を切った瞬間から、
試合の密度が一気に変わるのです。

それまでと同じ選手、同じ能力なのに、

・1本のシュートの重み
・1つの判断の速さ
・無駄な動きの減少

すべてが急激に研ぎ澄まされます。

これは精神論ではありません。

「残り時間が判断を支配している」
からです。


会議が長引く本当の理由

ビジネスでも、まったく同じ現象が起きています。

たとえば、
「3時間の会議」を設定した場合、

最初の2時間半は、

・雑談
・脱線
・アイデアの投げ合い
・本質に入らない議論

が続きます。

そして終了20分前になって、
誰かが時間に気づいた瞬間、
急に全員が真剣になります。

ここで問題が解決します。

つまり、

問題が難しかったのではありません。
判断のスイッチが入っていなかっただけ
です。


時間を短くすると、質が下がるのか?

「短時間にすると、
 軽視されていると感じる人がいる」

これはよく聞く反論です。

実際、90分予定の会議を
30分に短縮したとき、
動揺したり不安になる人がいます。

でも、多くの場合、結果は逆になります。

・全員が最初から議題に集中
・無駄な前置きが消える
・結論が明確になる

会議は予定よりも早く終わり、
成果はむしろ向上することがほとんどです。

時間が減っただけでなく
判断の密度を上がり
ました。


生産性とは「速さ」ではない

多くの人は、
生産性を「スピード」だと誤解しています。

しかし本質は違います。

生産性とは、

・判断を先送りしない
・重要でない行動を切り捨てる
・決めるべきことを決める

この判断の質です。

時間を短くすることは、
判断を雑にする行為ではありません。

むしろ、

判断から逃げられなくする設計です。


経験を積んでも時間が縮まらないのは大問題!

もし10年、20年と経験を積んでいるのに、

・会議時間が昔と同じ
・作業時間が減らない
・準備にかかる時間も変わらない

のであれば、それは努力不足ではありません。

判断の仕方が変わっていないと言えます。

プロとして成長しているなら、
同じ仕事は必ず短時間で終わるようになります。


今日からできる具体的な行動

完璧な改革は必要ありません。
次のような小さな設計変更で十分です。

・ルーチン作業の時間を25%削減する
・会議時間を先に短く設定する
・結論を出す時間を先に決める
・「もっと早く出せます」と一度言ってみる

これだけで、
自分の判断力の変化に驚くことになるでしょう。


判断を引き受ける人が、時間を支配する

時間を短くすることは、
効率化の話ではありません。

判断を引き受ける覚悟の話です。

・決める
・切る
・責任を持つ

この姿勢がある人のもとに、
仕事も、人も、信頼も集まります。

時間は管理するものではありません。
判断によって形が決まるものです。

クレーム対応も時間より責任(判断)が重要

クレーム対応も、時間をかければいいというものではありません。

長い説明、丁寧すぎる前置き、判断を先送りする姿勢は、
相手を納得させるどころか、
「この人は責任を引き受けていない」という印象を強めてしまいます。

クレームが拗れるときに起きているのは、
情報不足ではなく、判断不足です。

時間をかけることと、誠実であることは同義ではありません。

限られた時間の中で判断を示すこと。

それこそが、相手の時間と感情を尊重する、
最も誠実な対応として相手に受け取ってもらえます。

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